令和2年7月豪雨」での被災からの経営再建を機に、新分野事業にチャレンジ

事例

  • HOME
  • ブログ
  • 事例
  • 令和2年7月豪雨」での被災からの経営再建を機に、新分野事業にチャレンジ
4a75d56b6d5fe2dc1afd355b76ae276e

昭和28年創業、地域最大級の総合印刷業事業者。創業の地である人吉市に本社と工場を、熊本市、球磨郡、小林市に営業拠点を置く。社是「自己の確立と社会に貢献できる企業作り」をもとに、地域の文化と産業発展に貢献する企業であるべく、品質の高い印刷物作りをめざしている。

公開日:2023.03.15

有限会社ソーゴーグラフィックス

社長就任4日目に豪雨被害、本社と工場は水没し設備は全壊

夫婦で勇んで独立開業したものの、手持ち資金がどんどん減っていく現実に直面

現社長は3代目として、令和2年7月1日に就任。しかし直後の7月4日未明、豪雨により球磨川が氾濫、本社と工場が水没し、全壊の被害を被ってしまう。このとき同社の置かれた状況は、熊本地震による熊本営業所の被災、コロナ禍による売上高の減少があり、この洪水被害でいわば“三重苦”となっていた。現社長が常務時代から補助金申請等で支援を行っていたCOは、社長から被災地域を対象とした「なりわい再建支援事業」での定額補助(100%補助)で再建をめざしたいという相談を受け、支援を開始する。

e84edbe752131a2089f2e27349108811-1

市場規模の100%復活はないと判断、新事業分野への展開をめざす

毎月30万円の赤字経営を解消するため、事業と家計の分離と「見える化」に着手

COは「印刷データそのものは無事で、外注を使い既存案件に対応できること」「資金繰りに問題はないこと」を確認した。また周辺地域では900社ほどが被災し、復旧が進んでも市場規模は従来の80%以下になると判断した。そこでCOは「市場規模の縮小を見込んだ事業計画の策定」「印刷品質の高さやミスの少なさ、細やかなサービスなどの強みを活かしつつ、弱みである短納期対応、特殊印刷をカバーする対策」「新分野事業への進出」「定額補助の確実な採択につなげる書類の作成」を課題として設定した。

03090b520cf750ae638f3a33238c0252-1

これまでの“弱み”を打ち消す設備を導入、定額補助採択にも奮闘

家計および事業における支出を減らす一方で、売上増に向けた販売促進策を強化

事業再建にあたりCOは「100%の現状復旧ではなく、現状復旧70%、新分野事業30%への変革」「弱みをカバーできる設備の導入」「自社商品の開発」を提案した。相談者はこの提案を承諾し「パッケージ印刷用機械導入で新事業分野への進出」「特殊印刷が可能なオンデマンド6色印刷機導入による付加価値向上と外注比率の削減」を決定した。また特殊加工による自社商品開発のため、レーザーカッター機の導入も予定した。さらに定額補助採択のため、売上高減少を示す書類の作成、県や金融機関との交渉も行った。

b9f27741ef67f25752cfe089db04099c

補助上限額の「5億円」採択に結実、設備を一新した新工場が竣工

定額補助は無事採択され、総工費5億円の新工場が竣工、設備も全面的に刷新され生産効率が向上した。売上高は前々期比75%に回復、新事業分野は現在開拓中で、5年後には売上5000万円、構成比20%をもくろむ。外注加工費は前々期の25%が15%に削減を見込み、粗利益率も同28%から30%に改善される見込みだ。さらに自社商品開発については、海外展開も視野に営業活動を進めている。今後は新分野事業を外部とも連携しながら展開し、他社との差別化、競争優位性の強化を図っていく予定としている。

3979e1804a6e6c2ddb94a2a770ce4db0

事例を振り返って

中心市街地が全滅するなど、地域が大きな被害を受けたことから、現状復旧では前々期の売上を上回れないと考え、社長に「10年後の方向性と事業」を考えていただくよう勧めました。自社商品開発では、新商品開発が得意なCOとチームを組み、社長が得意な提案営業の分野を活かしていくことにしました。

相談者の声

コロナ禍で先が見えないなか、先代からバトンタッチを受けましたが、就任4日目に洪水による被害を受け、本当に途方に暮れました。そんな状況ながら、COは不安な私を励ましながら相談に乗っていただき、その後の尽力により、会社の状況も少しずつ上向いています。今後は自社開発新商品の販路拡大を目指し事業を舵取りしていきます。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事一覧

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。