イジメは会社までもつぶしてしまう
昨年からスポーツ界ではパワーハラスメント(いじめ、嫌がらせ)の問題が発生しています。ニュースで頻繁に取り上げられるなどパワハラが一旦発生すると、大きな問題が引き起こされます。何にもいいことがありません。
1つ目 被害者
パワハラを受けた被害者は、尊厳が傷つけられて自信を失い、うつ病などの病気になったり、休職、退職、場合によっては自殺に至ることもあります。
2つ目 加害者
一方、ハラスメントを行った人は、職場での評価や信頼を失い、会社の懲戒処分を受けます。その家族も生活の糧をなくします。更には、被害者からの訴訟のリスクを抱えることになります。
3つ目 職場の人たち
職場の周囲の人への悪影響です。ハラスメントのある職場は暗くなります。登校拒否のような、登社拒否をする人も出てくるでしょう。会社が何も対応しないと、「次は自分」と会社への不信が増大します。やる気がなくなります。ひいては、人材の流出につながります。
4つ目 会社
パワハラは会社にとっての大きな損失です。職場環境の悪化によって職場秩序や仕事の能率低下、人材流出など事業活動への悪影響と会社の信用低下、売上減少につながり、倒産の危機に直面するかもしれません。更に、使用者責任を問われれ訴訟リスクを抱えることになります。
パワハラやセクハラなどを含めてハラスメントは発生したら、その解決に多大の時間と労力がかかります。これほど予防が大事な課題はありません。
今までは終身雇用、年功序列の中でパワハラを受けても我慢していました。労働需要が流動化して、あるいは人手不足で、今では、従業員はそれほどまでにひとつの会社にこだわらなくなりました。このような社会事情の変化でハラスメントが外に出やすくなりました。
世の中には思っていても、言っていいことと、言ってはならないことがあります。
パワハラをを予防するために、社長を含むすべての社員のパワハラセミナーの受講、相談窓口、ハラスメント対策委員会の設置が急務となります。
一度、目をつむってみてください。いままでの勤務生活で、一番モチベーションが高まったころを思いだしてください。会社の皆が協力して、助け合い、業務を成し遂げたころのことではないでしょうか。
もう一度、目をつむってみて、会社で一番やる気をなくしたころのことを思い出して下さい。どんな職場だったでしょうか。
熊本県よろず支援拠点 コーディネーター 原川 修一
(厚生労働省平成30年度働きやすい職場環境形成事業:平成31年1月23日&24日、公益財団法人21世紀職業財団「職場のパワーハラスメント対策セミナー」参加内容とその感想)
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