生成AIは敵か味方か?

コーディネーターブログ

こんにちは。
コーディネーターの上村(かみむら)です。

ChatGPTが社会にインパクトを与えてもうすぐ1年近くになります。何かいきなり現れて社会を根底から
覆すかのような感じで日々報じられていました。
しかし、技術というのはある日いきなり凄いものが生まれるわけではなく、その土壌が作られて、
その上で花開きます。生成系AIも同様です。もっと前からプロンプトによる画像生成AIはあり、
私も使って遊んでいました。ただ、比較にならないほど言語解釈レベルは低く、意図する画像は簡単には
作れませんでした。ChatGPTも現在は4で、無料では3.5が使える状態です。つまり、まだその前の
バージョンがいくつも存在するということです。

生成系AIはChatGPTが有名過ぎて、ほかを知らない方も多いかもしれませんが、OpenAI社が提供している
サービスがChatGPTということになります。同じChatGPTをバックボーンとする「bing」はMicrosoftの
提供サービスとなります。他にもGoogleが提供するBardや検索系のSGE、クリエイター御用達のAdobeからは
「FireFly(PhhotoshopやIllustraorなどadobeのサービス上で稼働)」が商用利用可能サービスとして
出ていたり、他にも「MyEdit」「Fotor」「Canva」「Artguru」「PhotoDirector」「DALL・E2」
「Midjourny」「StableDiffusion」など様々なサービスが展開されています。

このような状況の中、メタバース関連の株が下落するなどありましたが、これは私はメタバースが不要に
なったのではなく、限られたリソースの展開先が現状AIにシフトしただけと考えており、デジタルツインを始め、
メタバースの役割はAIとはステージを違えており、競合するものではなく、この2つが融合することでさらに高い
デジタルステップが起きると考えても良いかもしれません。

主題の「生成AIは敵か味方か?」ですが、第一次産業革命、第二次産業革命と世界の歴史に目を向けると大きな
社会変革が起きており、それにより仕事を失うものと、新しい仕事を生み出すものがいて、その上で社会が
構成されて、都度利便性の高い社会にシフトしてきています。今更産業革命前の世界の生活をやれと言われても
なかなか難しい…ほぼ不可能だと言うのは多くの方が納得される事では無いでしょうか?
少し話は変わるかも知れませんが、福島原発の処理水問題で中国が日本からの輸入禁止を表明し、泣き崩れる会社と、
従来の10倍くらい注文が発生している会社など、明暗様々です。つまり、その事象に対してどのように向き合ったか、
日常からどのようなリスクヘッジをしていたかでも結果は全く違うということです。

生成系AIでも同じでストをやってみたり、禁止したりしている所もあるようですが、まず言えるのは、向き合い、
それを使い研究し日常にしていく所と、禁止して封印するところでは生まれる未来は大きく変わってきます。
少なくとも禁止にして封印したところは、蓄積されるノウハウやデータの基礎ボリュームが違うので、研究し
日常化していくところに勝つことは困難になります。いわゆる「ファーストペンギン」か「それでもとびこまない
ペンギンか」ということです。

そして、早く取り組んだところが有利なのは様々な他の事例・事象でも明らかだと思います。敵にするか、
味方にするかは向き合い方次第で大きく変わるのです。

ひとつ、ハリウッドとは言わず、俳優界という視点で見たいと思いますが、例えば「自分のコピーを使って作品を
作るのは許さん!」という場合と、「肖像権があるのでその費用を払えばOK」という場合の違いを見てみましょう。
許さない場合、自分が自分で演じた作品が全てで、自分の1日24時間という時間制限が限界を作ります。
しかし、後者はどうでしょう?自分が演じてなくても費用が入るので年間に100本でも200本でもオファーがあれば
作品が生まれることは可能で、あとはいかに自分のブランドとしての作品を厳しくやるかが重要なポイントになります。
時代の違う名優とも共演するチャンスが生まれます。そして、ここからが重要ですが、すでにデジタルアクターは
生み出されており、バイオハザードはじめ、いくつかの映画ではフルCG作品が生まれています。キャラクターが
確立すれば一人の俳優のように扱われ始めることもあるかと思います。これらとの共有も可能になってきますが、
拒否している人々はこのステージに上がることはできません。

俳優の世界に限らず、様々なシーンで同様の事が言えるようになってくると思います。例えばメタバースのデジタル
ツインが完全なまでの世界の隅々まで再現できれば、飛行機で落ちるリスクを背負って何時間も移動する必要がなく、
SDGsにも合致するかの如く移動するエネルギーが不要になります。安全に世界旅行が自宅に居ながら出来て、ここに
AIが対話型ガイドとして名優やイケメン、美女はじめ、カスタムした自分好みの人物で対応できるようになったとしたら?

AIにはそういったことも可能になってくると思います。アバターはだいぶいろいろ細かく設定できるようになって
きました。これも対話型でリアルなパートナーを作り、声、話し方、気遣い方まで自分で設定したら、このうえない
人生のガイドになるかも知れません。

この場合、異性を求めなくなり、人類が滅びるかも知れませんが…。

なんにせよ、今までと大きく変わった社会状況がこれから生まれ出ようとしています。最初の陣痛が今なのかもしれません。
その新しく生まれ出た社会を敵にするか味方にするかは、人間同士のコミュニケーションと同じで、自分にそのボールが
回ってきていると思ってみてはいかがでしょうか?

それでは、またの記事でお目にかかれればと思います。
長文お読み頂きありがとうございました。

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