その「確認」、正しいですか?

コーディネーターブログ

お久しぶりです。
 コーディネーターの上村(かみむら)です。
 数年付き合いの有る方でも、ときどき「うえむら」と言い間違わるっとです。。

 「しょんなか」と思いながら、もやります(^ ^;

 今回は
 『その「確認」、正しいですか?』
 というテーマで書かせて頂きます。

 モノにせよサービスにせよ、「売る」には「買う(契約する)」相手が存在し
ます。
 購入者層をどう考えるか?エリアで見るとターゲット層をどうするか考えます。
昔よりも今はぐっと設定が細かくなっています。通販の場合は「ペルソナ」とい
う考え方で、特定の個人を想像や実際の優良顧客から考えたりします。
 いずれにせよ、男性/女性/精神的性別、子供/少年/青年/中年/壮年/高齢者/後
期高齢者、未婚/既婚/子持ちなど、居住地域など様々なファクターが考えられま
す。
 販売プランを立てるとき、誰に売るかは考えても、その相手が「どう見るか」
が甘い事が非常に多いように感じます。

 先日も、とある相談者で、商品の販売戦略についてまったく明後日の方向の方
々の意見を取り入れて進めようとされていた事例がありました。
 例えば、子供のいる既婚の女性に買って欲しい商品があったとして、独身男性
が想像で「こうに違いない!」と実行したらどうでしょう?
 実は過去に、まだ私がよろずのコーディネーターになる前に、これをやっちゃ
った人の事例がありました。実はその人は既婚の男性で、ペルソナは彼の奥様に
合致していました。しかし、一言も奥様には相談されていませんでした。
 ご夫婦揃って私のところへやって来られ、ご主人が自信満々に「前回ペルソナ
を習ったので、パッケージを作り直しました」と意気揚々です。しかし、それは
個人の思い込みの産物で、それまで話を聞かされていなかった奥様は「え?それ、
私なら買わないよ!」という反応。ペルソナ自体に否定されてしまいましたが、
すでに予算を全部使って作り直し、発注までしてしまってました。「もう予算が
ないので作り直せない…。」ご主人はチカラ無く言われ「なんで聞かなかったの?
」と奥様に責められてしまいました。

 先日の件も似ていますが、男性向けの商品の感想を女性に聞いて回ったという
もの。しかも九州出身の男性に買って欲しい商品を東京の女性に聞いたのです。
 人は何かを買う時に、必ず買う理由を持っています。なぜ買うか?という気持
ちの話が重要なので、購入を想定する人と違う人の意見は基本的に意味を成しま
せん。せめて、何かしらのマーケティングデータを基にされれば良いのですが、
単に感想を聞くということにおいてはこれほど間違う方法はありません。

 その「確認」、正しいですか?

 というのは、このポイントです。
 確認は必要ですが、確認方法を間違うと何の役にも立たないということです。
それで進めれば大きな損害を起こしかねません。

 この方はその前にも同様のミスを犯し、開発系のコンサルさんを怒らせてしま
い、「じゃあ、私は不要ですね」と、切られていました。
 この開発系のコンサルさんも非常にペルソナを強く意識される方でした。

 商売をされる方は皆忙しい。なので、一つ一つ言われたことを正確に捉え、実
行するのが困難だと思っていることと思います。「気持ち」はその通りだと思い
ます。しかし、運転の仕方を学ばずに車を運転したらどうなるでしょうか?

 物事には順序があります。

 焦る気持ちで、整理をせずに物事を進めると、想定と違う方向に走って行きま
す。よろずとは別の事例になりますが、「何を言ってるんだろう?」的な話をし
てこられる社長さんがいます。焦っていることは話し方で判りますが、要領を得
ません。なので、「結局どうしたいの?」が大まかなものになり、その戦術とな
る部分がぶれまくるのです。そうすると、コストも時間もかかるので、かえって
状況が悪化します。電話を切り、こちらとしては「どうしたいんだろう?」が残
るだけなのです。実は最近この社長から「こうして欲しい」というのがあり、結
果として「そうじゃない」となりました。私は「今から出てこられませんか?顔
を合わせ、同じ画面を見て、状況を相互に理解した上で話しをしないと、また間
違います!」と強引に来て頂きました。

 この時の問題の一つは、この社長が『聞きかじった専門用語』を『間違った使
い方』で話されていたことも原因の一つでした。(しかし、今でもおそらくその
問題点には気がついておられない可能性大)

 昨今生成AIやらロボット化やら、いろいろ言われていますが、意思疎通は人間
力、語彙力、アナログ力が必要になります。

 ITの仕事を30年以上やっている私が言うのも何ですが、デジタルは道具でしか
無く、根源には人と人のコミュニケーションが絶対的に存在します。デジタルは
その人と人の意思疎通や工程を短縮したり、簡便化したりしますが、「何をした
いのか?」は人間が「思い」を持って初めて生まれます。

 マーケティングも、制作の打ち合わせも、その中心にいるのは「心」を持った
人間なので、同じ回答でも時と場合によっては正解だったり大問題だったり、結
果の振り幅は凄いのです。

 インターネット…特にSNSが飛躍的に一般化して、人は物事に対しての向き合い
方が非常に雑になったように感じます。今一度、「客観的に見て伝わるか?」
「客観的に見て正しいか?」「俯瞰して見れているか?」をアクションする前に
考える習慣を身につける必要もあるかも知れません。
 自戒を込めて。

 その「確認」正しいですか?

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